寝起きでできるエクササイズをルーティン化することで回復を早める方法
手術も終わり、リハビリも順調に進むといつかは退院する日がくるわけですが
退院した後の生活は自己責任ですね。
入院中のように食事もリハビリも管理された生活から、すべてを自分で管理する生活へと戻されるわけです。
リハビリ中はPTさんがつきっきりで指導してくれたり調整などをしてくれますが、
一人だと何をしていけばいいかわからなくなってしまいます。
日々の生活に追われることでリハビリも徐々におろそかになりがちです。
今回はACLの再建手術が終わって退院後に膝崩れを起こさないために、
朝一でやっておくといいエクササイズを紹介したいと思います。
寝ながらできるエクササイズ
朝一は体の力が入りづらく、起き上がろうとしても膝崩れを起こしやすい状況です。
ここで無理して立ち上がるのではなく、少し体を動かしてから体を起こすと不安感がなくなります。
膝周りのマッサージ
まずは上半身を起こして、膝のお皿まわりをさすっておくようにします。膝をさすりながら、
●どこに力が入りやすいか
●どこが疲れているか
●痛みを感じる部分があるか
などをチェックしておくと、その後にやるべきことも決まってきます。
触っておくといいポイントは、膝のお皿周辺を両手の親指で軽く押していくのがいいでしょう。
膝のお皿の上側は膝を伸ばそうとしたときにつまりやすい場所ですし、
膝の横あたりはむくみなどでパンパンになりやすいです。
その他とに股関節から膝に向かって太ももの前側をさすったり、
足首から膝に向けてすねをさすっておくのも大切です。
むくみなどで皮膚がパンパンになってくると筋肉も正しく動いてくれません。
皮膚をさすってあげることで血流を促し、筋肉の動きもサポートしてくれる効果が期待できます。
クワッドセッティング
最初に膝まわりに力が入りやすい状況を整えてあげてから、
力を入れる練習をしていきます。
膝に近い位置で太ももを触りながら、太ももにグーっと力を入れていきます。
朝一なので、5秒×8回を1セットとして2セットほど行うと
かなり感覚がよくなってきます。
退院してから時間が経って自分ではだいぶ力が入るようになったと
自覚しても少し続けておくと膝まわりの違和感は出にくくなります。
感覚さえつかめればいいので1セットでも問題ありません。
SLR
これも病院のリハビリで行ったトレーニングの一つ。
クワッドセッティングで太ももに力が入りやすくなったら、
力を入れたまま足を持ち上げるというもの。
これのおかげで太ももの筋肉が使いやすくなってくることがわかります。
クワッドセッティングとSLRは退院後もできるだけ毎日行っておくと
いいかなと思います。
足指のグーパーと足首の運動
膝まわりの運動が制限されていると、必然的に足首まわりも動かさなくなります。
となると、心臓へ血液を戻す作用が低下するため血流が悪くなり、ふくらはぎや足首まわりがむくみやすくなります。
朝でもむくみ感が強い時もありますので足の運動もしておきましょう。
足指でグーパーを10回繰り返し、そのまま足首の運動を10回繰り返しておきます。
これはいつでもできるので、普段の生活の中でも取り入れておくと
むくみ予防にもつながります。
お尻まわりのエクササイズ
膝が徐々に動きはじめてきたらバランスを取ったり地面をけるための
お尻のトレーニングも開始していくと効果が高まります。
横向きやうつ伏せでの足上げをすることで膝に負担をかけることなく
お尻まわりを鍛えることができます。
マッサージとエクササイズで約5分ほどでしょうか。
これだけでも十分な効果を得ることができますが、
もっとやりたい方は立って行うエクササイズをやりましょう。
立って行うエクササイズ
実際にはここまで行うだけで十分なのですが、足を地面についた状態だと
力の使われ方がまた少し変わってきます。
時間がある方には立って行うエクササイズもオススメです。
クワッドセッティング
まずは病院のリハビリで行った2種類。
つま先をあげて太ももに力を入れたところから踏み込んで、
ぐっと太ももに力を入れます。
その後に足を後ろに引いて、膝を伸ばすようにして太ももに力を入れる練習。
それぞれ10回ずつを目安に行っていきます。
カーフレイズ
ふくらはぎの筋肉を使って血流を促していきます。
特に私はアキレス腱を手術したことがあるので、
足首まわりはすぐに固くなりやすいのです。
足の指先を開いたまましっかりと地面を掴んでかかとの上げ下げ。
20〜30回ほど行うとむくみ感がなくなってくるのがわかります。
お尻のトレーニング
横向きやうつ伏せで行った足上げの運動を片足立ちで行います。
動かしている足だけでなく、支えている方のお尻も鍛えることができるので
バランス感覚を養うのに役立ちます。
10回ずつできればOKです。
ここまでで約5分ほど。
合わせて10分ほどですが、歩き出しがスムーズになるのがわかると思います。
朝一にリハビリを行うメリット
朝一に体を動かすことはなかなか大変かもしれませんが、
得られるメリットははかり知れません。
●目覚めがいい
●力が入りやすくなる
●こわばりが取れる
●痛みが出にくくなる
●体の感覚がよくなる
朝は体が目覚めていないので、体が思い通りに動きませんよね。
こんな時にふらっとバランスを崩した時が一番危険です。
朝一に体を動かすことにストレスを感じる方も多いと思いますが、
退院したあとは誰も力を貸してくれません。
疲れたからマッサージ
というのも必要ではありますが、筋肉や骨は自分で動かしていかないと
成長してくれないものなんです。
なので、少しでも自分で動かす努力をしていくと、体も応えてくれます。
朝のちょっとした時間をうまく有効活用して、
体の感度を高めておきましょう。
投稿者プロフィール
- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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初の著書|太鼓打ちのための身体の整え方 〜呼吸・体幹編〜
打ち込む力を引き出す!太鼓打ちのための身体の整え方
〜呼吸・体幹編〜
を電子書籍にて上梓しました。
”太鼓打ちのための”という表現になっていますが、野球やテニスといったオーバーヘッド種目、音楽をされている方など身体を使うすべての方に参考になる内容になっています。
これまで様々なチームで指導をしてきましたが、いいパフォーマンスを発揮するためには呼吸や体幹の動きを整えていくことが最優先なのではないか、という結論にたどり着きました。
いかに呼吸を整えることが大切か、体幹の動きを適切なものにするためにはどんなことが必要か、それらを一冊にまとめたものが本書籍になります。
ただストレッチやマッサージ、筋トレをしているだけでは身体を変えることはできません。
その前提としての呼吸の最適化であったり、体幹の動きの最適化をしていくことで、トレーニングの効果もさらに高まってきます。
「腰を痛めることなく動き続けたい」
「呼吸が浅いのをなんとかしたい」
「もっといいパフォーマンスをしたい」
という方におすすめの一冊です。