前十字靭帯の再建術後に出やすいハムストリングスの痛み
膝の手術とハムストリングスの痛み。
一見、関係ないように思われがちなこの二つの症状も、実は結構な頻度で起きています。
膝の手術の中でも特に多いのが、スポーツをしている人に起きやすい前十字靭帯の断裂後でしょうか。
この原因はどこからくるのか。
どんな対処法があるのかを解説していきます。
前十字靭帯の再建術のやり方
前十字靭帯は膝の関節の中にある靭帯のこと。
膝のぐらつきや膝下の動きを安定させる役割があり、切り返しや着地の瞬間に膝に余計なねじれが加わるとケガをする可能性があります。
前十字靭帯を断裂したらどんな、基本的には手術をすることになります。
術式は2種類。
太ももの裏から靭帯の代わりをなる腱をとるSTG法と膝下にある膝蓋腱をとるBTB法があります。
詳しくはこちらをご覧ください。
BTB法とSTG法 前十字靭帯の再建手術はどの方法で行う?
この記事はプロモーションが含まれていますこんにちは、昨日無事に退院した倉持です。 術後三日で歩行OKの許可はおりましたが、さすがに電車や街中を歩くのはこわいので膝…
前十字靭帯の代わりとなるものをどこから採取してくるか。
これが大きな違いとなっています。
BTB法のメリットとデメリット
BTB法は膝下の膝蓋腱の真ん中部分を移植する術式のことです。
こちらのイメージ図がわかりやすいです。
BTB(骨付き膝蓋腱)を用いたACL再建術
非常にシンプルですがイメージはこんな感じですね。
骨孔の開け方や固定の仕方などは色んなバリエーションがあります。 pic.twitter.com/29eZgXGDOy
— よせやん@目指せスポーツドクター (@sports_doctor93) August 12, 2020
膝蓋腱はとても強い上に、上下の骨をつけたまま移植するので関節の安定度はとても強いです。
その代わりに、骨の一部を取っているので痛みが強くなったり、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が硬くなりやすいというデメリットがあります。
アメリカのスポーツ選手はとてもハードなので、痛みが多少あったとしても大きな出力を出せるBTBが使われるそうです。
STG法のメリット・デメリット
STG法は太ももの裏にある半腱様筋(ハムストリングスの一部)の腱と、場合によっては薄筋(太ももの内側)の腱の一部を切り取って再建するというもの。
BTBと比べると痛みであったり、術後の筋力低下が少ないことから日本ではSTGが一般的に使われることが多いです。
一方で、ハムストリングスの一部から腱をとってくることから、太もも裏の筋力が低下して、痛みや肉離れを起こしやすくなります。
私がアメフトチームでコーチをしていた時でも、前十字靭帯の手術がうまくいって膝の問題がなくなると、今度はハムストリングスの肉離れを起こしたり、痛みに悩まされるということがよく起きました。
腱を採取しているので当たり前といえば当たり前かもしれませんが、ハムストリングスの強化が必須になります。
ACLの術後にハムストリングスが痛くなる理由
術式の部分でお話ししたように、ハムストリングスの一部から腱をとってきているので、その分だけ弱くなって痛みが出るというのが一番の理由です。
チームにトレーナーがいればしっかりリバビリをするのですが、トレーナーがいなかったりすると、膝のリハビリはしても太ももの裏のリハビリはあまりしないのではないでしょうか。
そのまま日常生活に復帰して、ハムストリングスの機能が多少戻ってきても、他の筋肉との癒着などがおきて痛みを引き起こす場合もあります。
また、坐骨神経がハムストリングスと癒着して、坐骨神経痛のような症状が出ることも考えられます。
「ハムストリングスにズーンとした痛みが出る」
「ピリピリっという痺れる感じがする」
「10分ほど立っているだけで辛くなる」
という症状ですが、坐骨神経の問題が大きいかもしれません。
この問題を一人で解決しようとフォームローラーなどでゴロゴロするというのも紹介されていますが、これはリスクが伴います。
長い時間の強い圧迫は、筋肉を潰してしまいさらなる癒着を引き起こしたり、神経を傷つける可能性も否定できません。
だんだん刺激が物足りなくなり、もっと強い刺激が欲しい!
となっていませんか?
そうなっていたら要注意です。
強い刺激を入れすぎると体の感覚を司るセンサーがおかしくなってしまい、痛みを感じにくくなるということがあります。
これが続くことでセンサーが働かなくなり、さらに強い刺激を求めてしまいます。
それが続くと、筋肉の組織自体がおかしくなってしまったり、神経が傷ついて何もしていなくても痛みが出たり、うずきが止まらないといったこともあります。
ハムストリングスの痛みは長引きやすいので、できるだけ専門の院に伺ってしっかりと脚を見てもらうようにしましょう。
一つ一つ丁寧にリリースをしていって、可動域や筋力の訓練をすることで必ず良くなります。
まずは代償動作なく足を動かせるようになること。
その上で、正しい動き方を体に訓練させることで痛みなく快適な生活を送れるようになります。
ハムストリングスの痛みに関するお問い合わせは
- 短い時間でも立っていると太ももの裏が痛くなる
- とにかくこの痛みをなんとかしてほしい
- 前のように元気に歩き回ってお買い物を楽しみたいし、山やハイキングにも行きたい
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ご自宅でできる簡単なストレッチやトレーニングの指導なども行いますので安心して取り組むことができます。
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投稿者プロフィール
- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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