足に痛みが出たあと、いつ頃から動き始めればいいですか?
よくある質問なのですが、痛みが出たあとどれくらいしたら動き始めますか?状況によって答えも様々ではありますが、いつもお伝えしていることがあるので紹介したいと思います。
ここでいう動き始めるということもいくつかに分けて考えた方がいいのですが、
●スクワットなどのトレーニング
●敵がいない個人練習
●敵がいるグループ練習
という三段階に分けて考えていくことが重要になります。
自重やウエイトトレーニング
痛みがある程度おさまるまでは安静にしておくことがベストです。安静にすることで患部の炎症などがおさまるので、痛みも落ち着いてきます。
ですが、休みすぎても患部がかたまってしまうのでよくありません。
目安としては多少痛みがあっても我慢できる程度でしょうか。痛みをかばって代償動作が出てしまうのはまだ早いですが、代償動作が出ない範囲でしたら少しずつ動き始めることを勧めています。
可動域の確保と自重トレーニング
ここでやることは可動域を元に戻すこと。安静にしていると可動域が徐々に狭くなってしまいます。
関節がかたまってくるとストレッチだけではなかなか元に戻らないので、動的なストレッチやテニスボールなどを利用すると可動域が戻りやすくなります。
お風呂などの温熱効果も効果的です。
動き出す前に温めたり、お風呂で温めながら動かすと関節が緩みやすいので試してみてください。
終わったあとに熱感が強いようでしたら、運動後はアイシングですね。
自重トレーニングも実は可動域を回復させる効果もあるので、おろそかにしないようにしましょう。
まずは両側で均等に負荷がかかるように動きます。そのあとに片側での運動を少しずつ入れていくと、正しいステップでリハビリを進めることができます。
負荷をかけたウエイトトレーニング
自重トレーニングで動きに慣れてきたら徐々に負荷をかけていきましょう。いきなり負荷をかけることは禁物。
アンバランスのまま負荷をかけると、体のアンバランスがどんどん大きくなって二次障害を招きかねません。目的は体の機能を正しくすること。
無理な負荷は必要ありませんので、ご注意ください。
個人練習
自重トレーニングやウエイトトレーニングはいわば直線的な動きがメインです。力を出す方向は、基本的には重力の反対方向ですよね。
これらのトレーニングをすることで、自分の意図した方向に力を出す方法を思い出します。怪我をすると、この辺の感覚自体が遮断されてしまいますから。
まずは地道に抗重力の動きを行いましょう。
これで不安なく動けるようになったら、徐々に実際の動きを取り入れていきます。いわゆる前後や横の動きですね。
前や横に進むには垂直方向と水平方向の二方向に力を伝える必要があります。力の方向が二つになるということは、それだけ関節部分は不安定になるということです。
そのため自分で動きを制御できるように力の方向を確かめていきましょう。
最初はゆっくりと動きを確かめながら。徐々にスピードや負荷を上げていきます。
間違ってもいきなりフルスピードでやらないように。おそらく不安でできないとは思いますが。。
敵をつけたグループ練習
個人練習はいわば、すべての動きを自分でコントロールできる練習です。
まずは自分の動きを自分の意のままにコントロールする中でも痛みがないことが重要です。ここまできたら、ようやく敵をつけたグループ練習に移行することができます。
敵がつく=とっさの動きが必要
ということですね。
怪我をする状況の多くは、予測していない中でとっさの動きをした時に起こります。そのため、グループ練習と言っても、まずは一対一でしかも動きを制限したところから。
少しずつ範囲を広げて、最終的に全体の練習を行っていくイメージです。
怪我から復帰するにあたり
痛みが引いてくると、早く動きたい、練習をしたいという衝動にかられると思います。
トレーニング期から練習に移行したあたりには、違和感なく動けるのですぐにでも復帰できるのではないかという錯覚に陥ります。
ところが、ここに落とし穴があります。
休んでいる期間に体は弱くなります。
特に体のバランスを司る固有受容器という器官の機能が低下して、体の位置感覚がずれてきます。
このまま練習をしてしまうと自分の感覚と動きのずれが出てしまうのです。
筋力的に戻っているのになぜか動けない
ということが起きるのは、こういった理由があるのです。
怪我から復帰するためには、少しずつステップアップをしていくように心がけましょう。
いきなり練習をしていくよりも最終的にはいい成果を出すことができますよ。
投稿者プロフィール
- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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