身体が硬いのに足も速いしケガをしないという矛盾

「ケガをしないために、もっと身体を柔らかくしたい」
「身体は柔らかければ柔らかいほどいい」

ストレッチの指導をしていたり、店舗に足を運んでくださる方とお話しをしているとこういう会話になることが多々有ります。

もちろんケガをしないためにストレッチをすすめていますし、柔軟性があった方がケガをしにくいのも事実です。

が、

やればやるほどいいのかと言うと実際にはそういうわけでもありません。

実際にプロのトップアスリートでも身体が硬い選手はたくさんいます。意外と身体が硬い人の方が足も速く、ケガをしないことも多いです。

「なんであいつは身体が硬いのにケガをしないのか」
「ストレッチは必要ないの?」

と云う疑問を耳にすることもよくあります。

これにはいろいろな要因があるのですが、体の柔軟性やバネの構造などの説明をしていくとわかりやすいと思います。

身体の硬さとは?

そもそも、身体の硬さという定義が問題であることもありますが。

一般的な身体の硬さの指標とは、
・体前屈で床に指をつけることができるか
・体の後ろで両手をつかむことができるか
・カカトを浮かさないようにしてしゃがめるか

といったところでしょうか。これらは静的な柔軟性と言われ、身体の力を抜いた状態で行います。確かに全身の力を抜くことができることはとても重要ですが、大事なポイントは自分で動かそうとした時の可動域が大きいかどうか。

柔軟性があるんだから自分で動かした時の可動域も大きいに決まっている

そう思っていませんか?実はそんなことはありません。

自分で動かすというのは筋肉を自在に動かせるということ。たとえば足を大きく回すという動作一つとっても、一つの筋肉ではなく幾つかの筋肉が連動して働かなければいけません。

この筋肉の連動がスムーズにいくと可動域が大きくなります。うまく力のスイッチを行うことで、お互いの邪魔をせずに動くことができます。

これを動的柔軟性と言って、スポーツ選手はこちらの動的柔軟性に優れている方が良いのです。イチロー選手や北島康介選手も前屈は意外といかないと言われています。あれだけしなやかな動きをしているにも関わらず。それにはこう言った理由があったんです。

筋肉と腱の関係性

身体には大まかに筋肉と骨がありますが、筋肉が骨にそのままついているわけではありません。筋肉と骨を介しているものが腱です。代表的なものがアキレス腱ですね。

筋肉と腱を比較すると、筋肉の方が柔らかく、腱の方が弾性があります。カンガルーや黒人スプリンターの足を想像してみてください。膝下が細長いですよね。

腱が長いほど地面からの強い反発力をもらうことができ、よりバネとしての機能を活用することができます。これを伸張反射と言って、このバネの機能があることで無駄なエネルギーのロスをなくしながら動くことができるのです。

逆に腱は筋肉に比べて硬いため、腱が長い人ほど柔軟性は劣ると言うことができます。足が速い人がストレッチ嫌いの理由はこんなところにあります。

筋肉が伸びづらいので気持ちよくない

周りと比較されてもできないもんはできない

でも、足が速い

だったらやる意義を感じない

という連鎖です。

身体が柔らかすぎると?

逆に身体が柔らかすぎると何がいけないのでしょうか。一番のデメリットは上記で解説した伸張反射を使いづらくなるという点です。

バネの機能を使いづらいということは、
・余計なエネルギーを使わなければいけない
・最終可動域付近でのストッパーが効かない

ということが起きます。反発力のあるゴムボールとないゴムボールを同じ高さから落とすと、当然反発力があるものの方が高く跳ね上がりますよね。

野球のピッチャーが肩が柔らかすぎるがゆえに抜ける感覚が出て、ケガを繰り返すということはよく起きます。柔軟性がありすぎるとこう言った弊害あることも忘れてはいけません。

最近ではウォーミングアップの中で静的なストレッチを行わないようにしよう、という流れになっています。静的なストレッチだけでは当然身体も温まりませんし、反発力の低下を招くこともあります。

動的なストレッチと静的なストレッチを並行して行うのが、ウォーミングアップには適しているようです。

ストレッチは不要?

では、ストレッチは必要ないの?という疑問にたどり着きますが、そんなことはありません。

筋肉や関節は使えば徐々に硬くなっていきます。硬くなった筋肉を戻すためにストレッチを行うことが非常に大切なことです。スポーツでは競技特異的な動きがあるため、身体もそちらの方に偏っていき徐々にバランスが崩れていきます。これを放置しておくとケガを招いてしまいます。

いい状態に戻す

ストレッチにはこう言った効果が期待できます。ストレッチは継続的に行ってこそ、効果が出てくるもの。身体にどんな変化が起きているのかを感じながらストレッチをしていくのも効果を上げる大切な要素ですよ。

また、最近の研究では6〜10秒の静的なストレッチでは瞬間的な筋肉の力発揮が増大するというデータも出始めました。

一概にこれはダメ、あれはダメと決め付けるのではなく、目的に合わせて選択できるようになりたいですね。

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