アスリートのルーティンワークから見る胸椎伸展の重要性

少し話題は古いですが先日行われていた大相撲初場所は、琴奨菊関が10年ぶりの日本出身力士による優勝を飾りましたね。

琴奨菊関といえば、やはり仕切り前の背中を大きく反らせる動作が話題になりました。最近はルーティンワークという言葉もメジャーになり注目を集めやすいのですが、これも集中力を高めてパフォーマンスを上げるための動作の一つ。

メンタルトレーニングの第一人者である東海大学の高妻先生とともに作り上げた動作のようです。仕切りでの背筋がピンと伸びた姿勢が、そのあとの出足鋭いスタートを生んでいるなと感じます。


アスリートのルーティンワークといえば、やはり五郎丸選手でしょうか。キックを蹴る前に一連の動作を行うことで、集中力を高めています。

ラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた荒木香織さんが、プレ・パフォーマンス・ルーティンとして五郎丸選手と作り上げた動作です。

ボールを回転させる回数、下がる歩数、ボールを蹴り上げるイメージなど、その動作をスムーズに行えるように作られています。


もう一つ、野球界からは今年メジャー行きが決定した前田健太選手。マウンドに上がる前に肩をぐるぐる回すマエケン体操も有名ですね。

【前田選手】

これは元千葉ロッテマリーンズの荒木和樹さんが肩甲骨周りの可動域を広げるた目の体操として前田選手に教えたものを、継続して行なっているようです。

もともとこの体操は手塚一志さんの著書「スポーツトレーニングが変わる本」の中で「サークルストレッチ」という名称で紹介されているので、野球に関わる人の中では意外と馴染みのある動きかもしれません。

どの動作にも共通している胸椎伸展動作

胸椎伸展というと難しく聞こえますが簡単に言うと「胸を張る」「背中を反る」動きのことです。

琴奨菊関は一目見てわかるとおりで、五郎丸選手は体の前で腕を合わせる前に、二度ほど肩甲骨を寄せて胸を張る動作が入ります。前田選手も肩を回した後に、腕を後ろに引いて肩甲骨を寄せています。

なぜ、胸椎伸展が重要になるのか。


一つには深い呼吸をするためです。緊張状態やプレッシャーがかかる中ですと呼吸が浅くなり余計に身体が力みやすくなってしまいます。

大きくを胸を膨らませることで空気を体内に取り込み、精神的に落ち着かせるという効果が期待できます。

これは一般の方も同じで緊張状態が続くと背中が丸まりやすくなり、知らないうちに呼吸が浅くなっていることがあります。落ち着くために深呼吸をして〜と昔から言われているのはこう言った理由があります。


もう一つは大きな力を発揮するために必要不可欠であるから。

背骨(脊柱)には生まれながらに弯曲(生理的弯)があり、これにより体にかかる重力を分散して大きな負荷がかからないような構造になっています。

頚椎(前弯)ー胸椎(後弯)ー腰椎(前弯)という弯曲が正常ではありますが、猫背になると胸椎の後弯が強くなってしまったり、ストレートネックと行って頚椎の前弯がストレートになってしまう症状があります。

こうなると力の伝達がスムーズにいかず、余計なエネルギーを使ってしまうのです。

特に蹴る・投げるといった回転する動作の場合、過度な弯曲があることで、力のロスにつながり怪我をしてしまう可能性も否定できません。


肩甲骨は背中にあるため、自分の目で確認することは難しいですよね。意識しにくいポイントではありますが、胸椎と肩甲骨の動きは非常に密接な関係があり、動きという面においては重要な役割を持っています。

例えば、椅子に座りながらバンザイをするだけでもいいですし、タオルを巻いたものを背中において寝っ転がるだけでも構いません。

胸をグッと持ち上げる意識をするだけで、随分と動きは楽になりますので、少し意識して取り入れるようにしてみてください。

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