アキレス腱断裂の評価と応急処置【アキレス腱断裂のリハビリ②】
アキレス腱が切れたということをなんとなく頭で理解をしたら、本当に切れているかどうかをテストしていく必要があります。
と、その前にまずはアイシング。
ケガをしたとき、その部位では炎症反応や腫れなどが出てきます。炎症反応自体は身体を治そうという自然現象なのでいいことですが、熱が出すぎてしまうとよくないのでアイシングで冷やしておきます。
RICE処置はケガをしたときの応急処置としては最適な方法なので、冷やす+圧迫+挙上で、それ以上損傷が広がらないようにしましょう。
アキレス腱断裂の評価
ケガの評価というのはいくつかのテストをすることで、その部位にどんなことが起きているのかを予測すること。
これはあくまでケガの評価であり、診断ではありません。
よく接骨院に行って診断してもらったという方もいらっしゃいますが、医師でない限り診断をすることはできませんので正しい診断をされたい方は必ず病院に行くようにして下さい。
では、なぜここで正しい評価をしておかないといけないのか。
それは病院に行くまでにどのような応急処置をしておく必要があるのか、病院から戻ってきてからどんなことに注意して生活すればよいのかを理解しておかなければいけないからです。
病院では骨折の有無や手術の必要性の有無などを診断してくれますが、より生活を快適にしたいかどうかということまでは見てくれません。
保険でやってもらう以上当然といえば当然であり、そこから先のことをするのが我々トレーナーの仕事と言うことができます。
だから、正しい評価は必須なんです。
と、前置きが長くなりました。早速アキレス腱断裂の評価をしていきたいと思います。
まずは損傷部位の痛みの確認。
痛みに関してはアキレス腱の損傷部位にはほぼ痛みがなく、ふくらはぎに筋肉痛のような痛みがありました。
次に触診。
患部をアキレス腱に沿って触っていくと、踵の上あたりで明らかな陥没があります。笑っちゃうくらい凹んでます。完全に切れてますね。。。
最後にトンプソンテスト。
これはふくらはぎをつまむことで足首から先が動くかどうかを見るテストです。通常であればふくらはぎ~アキレス腱に引っ張られて足首から先が動きますが、アキレス腱を断裂していると全く動きません。
本当はうつぶせになって行うのが正しい方法ですが、自分でやろうとしてもつまめなかったので座った状態で確認します。動きません。。。
【ほぼアキレス腱断裂で間違いなし】という評価をすることができました。
アキレス腱断裂の応急処置
アキレス腱が切れていると、足を地面についたときに力が入らずグニャッと崩れてしまい損傷がさらにひどくなってしまいます。
そのため、移動の際には固定しなければいけないのですが、ここで一つ注意点。
通常、足首周りを固定するというとテーピングをするように90°くらいに曲げて固定するのが一般的な足首の固定です。(上図)
ところが、この固定をしてしまうと切れたアキレス腱をさらに引っ張ることになってしまい余計に広がってしまいます。
アキレス腱の断裂が疑われる場合の正しい固定方法は、下図のように少し足首を伸ばした状態で固定すること。
固定具などはないと思うので、ダンボールなどを加工してバンテージ(なければタオルなど)で固定しておくと最小限の損傷で抑えることができます。
ここまでできたら、救急病院に行ってちゃんとした固定具にしてもらい、
翌日にしっかりと診察してもらうようにしましょう。
投稿者プロフィール
- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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