【Q&A】転倒して手の平をついたのに二の腕が痛い。骨折の可能性はある?
先日、小学校時代からの友人から突然連絡がありました。
「息子が急に腕が痛いと言って泣き出したんだけど、今は大丈夫そうなんだ。それでも病院に連れて行った方がいい?」
という内容です。
LINEの無料相談でも似たような質問を受けることがあります。
実際に見たり触ったりしているわけではないので確実ではないと思いますが、痛みの状況や症状を踏まえた上でどうした方がいいかをお伝えしています。
介達外力による骨折の可能性
まずは痛みが出てきた状況の確認ですね。これをしておかないと「ただ痛い」というだけでは可能性を導き出すことができません。
・現在、中学二年生の男の子でテニス部所属
・身長は150cm前後で体重35kg(細身の分類)
・前日、転倒して手のひらを地面についた
・痛みが出たのは二の腕全体(直接地面にはぶつけていない)
・朝になり急に痛みが出たが、時間の経過とともに痛みが消えた
直接地面にぶつけていないので、骨折の心配はなさそうなんだけど。。。ということでした。
ところが、実際に腕をぶつけていなくても骨折をする可能性はあるんです。それが、介達外力によって起こる骨折です。
転倒した際に手をついたことで、その衝撃が体を支える二の腕に伝わって骨折してしまうものです。
成長期で、しかも細身ではあるので、骨が衝撃に耐えられない可能性があります。痛みを感じなくなったと言っても、まずは骨折の可能性が否定できないので、
「すぐに病院に行ってレントゲンを撮ってもらって」
ということを伝えました。
私も子供の頃に骨折したことがありますが、最初は痛くても意外と痛みが落ち着いたりしてしまうんですよね。
ただし、もし骨折をしていたまま放置をしたことで、さらに変形してしまったということになってしまっては、回復はさらに遅くなってしまいます。
もしくは、変形したまま大人になってしまう可能性もあるのです。なので、早めの受診をするようにしてください。
筋肉の異常収縮
もし病院を受診して骨折の疑いがない、ということになったら、次に考えられるのが筋肉の異常収縮です。
骨折を起こすには、骨が病的に脆弱化している場合を除けば、十分に強い外力 (エネルギー) が作用する。
骨折を起こす外力には、直達外力と介達外力があるが、後者の場合は筋の異常収縮力が加味される。
(引用:災害医療における骨折治療)
とあります。
人間が普通に生活をしていると、実際には20〜30%ほどの力しか出せていないと言われています。
よく火事場の馬鹿力と表現されると思いますが、まさにいざという時のために力が使われないように脳で制御されているんですね。
ところが、転倒して手をつくと、顔を打たないようにするためにいつも以上の力が出されるわけです。
これがいわゆる筋肉の異常収縮というやつで、いつも使わない分の力が余計に使われてしまったので痛みとして出現したと考えられます。
寝起きで筋肉が固まってしまったことで痛みが出て、筋肉を動かしているうちに徐々にほぐれて痛みがなくなったのかもしれません。
迷ったらまずは病院を受診
ただし、これらはあくまで推測であり、正確な診断ではありません。必ずお伝えしているのは、
病院でしかわからないことがある
ということ。
骨折や靭帯の断裂は、レントゲンやMRIなどの特殊な機械を使わなければ診断することができません。
骨折していても意外とそのままで放っておく場合って多いんですよね。ですが、それが影響して後々、動きが悪くなったり変形が出てしまったりということも考えられます。
なので、しっかりとした診断を仰ぐことは必要不可欠と言えます。
骨折回復後の動きの悪さに関するお問い合わせは
「骨折が治ったのに可動域が悪い」
「痛みはないけど筋肉にうまく力を入れることができない」
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ご自宅でできる簡単なストレッチやトレーニングの指導なども行いますので安心して取り組むことができます。
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