スポーツ指導者は必ず知っておきたい脳震盪の危険性

こんにちは、府中市のスポーツ整体めんてなの倉持です。先日、脳震盪に関して気になる記事を見つけました。

私はアメフトを中心に活動をしてきましたので、脳震盪の怖さは他の方に比べると認識しているつもりです。直接コンタクトのあるアメフトやラグビーでは、脳震盪に関する議論はかなり行われています。それでも、まだまだ結論は出てきません。

脳震盪は何がこわいのか。過去の例なども含めて解説していきます。

脳震盪とは?

アメフトやラグビーだけでなくサッカーやバスケットボールなど直接的なコンタクトがあるスポーツをしていた方は、もしかしたら一度は経験があるかもしれません。

それでも外見上は違いが見られないため、

「それくらい大丈夫だろ」
「気持ちが弱い」

といった言葉で片付けられることもありますが、脳震盪は本当に危険な状態だということをスポーツ指導者は知っておく必要があります。


脳震盪とは、

頭部に衝撃を受けた直後に発症する、一過性および可逆性の意識や記憶の喪失を伴う症状(wikipedia)

のこと。脳震盪を繰り返すことで将来的に深刻なダメージが出てくることも明らかになっています。


では、脳震盪を起こすことでどんな症状が出てくるのでしょうか。

脳震盪で起こる症状

選手が訴える症状と外から見ている人が感じる症状です。外から見ていてやばそうだと思っても選手が強がっていることもあれば、逆に選手の症状は明らかなのに指導者が見過ごすこともあります。

自覚症状と他覚症状の違いを知っておくといいかと思います。


選手が訴える症状
・頭が痛い、重い
・気分が悪い、吐き気がする、吐く
・よろめく、ふらつく
・ぼやけて見える
・やけに眩しく感じる
・音に過敏
・集中できない
・思い出せない
・ぼーっとする

指導者が感じる症状
・やるべきことがわかっていない
・何をしていたか思い出せない
・バランスが取れない
・視点があっていない
・質問に対する答えが遅い
・短時間でも意識を失う
・行動や様子がいつもと違う
・受傷前のことを思い出せない
・自分の不調を認めない


頭痛やめまい、ふらつきなどがよくある症状ですが、

(何が起きたかわからない)
(ここがどこかわからない)
(試合が終わった後なのに試合をした記憶がない)

といった意識や記憶の喪失が見られることもしばしばあります。とにかくこのような症状が出た場合はすぐに休ませて病院に連れて行くようにしてください。


今回の記事では、

練習試合中、シュートしようとした相手選手の膝を左ほおに受けて転倒しました。試合を一時中断し、担がれてコートの外に出て、顧問の教員が意識を確認。3分間休んだ後、出場できるかを教員が確認し、その後2分ほど試合に合流しました。

とあります。

教員は軽い脳震盪の可能性があることを両親に伝えたが症状の改善が見られなかったため、脳神経外科の受診を促したそうです。その結果、

病院に行くと緊急入院。強い脳しんとうと左目眼窩(がんか)骨折、頸髄(けいずい=脳に近い脊髄の上部)損傷の診断があり、事故直後の記憶がないことも分かりました。

試合中はアドレナリンが出ているため意外と痛みを感じないということもありますが、それでもしっかりと脳震盪に対する理解があれば評価することができたと思います。


ちょっと様子を見てすぐに復帰というのはとても危険です。その理由というのがセカンドインパクトシンドローム。大リーグの青木選手が2015年に脳震盪で深刻な体調不良に陥ったことでも話題になりました。

次はセカントインパクトシンドロームについて。

セカンドインパクトシンドローム

一度脳震盪を起こして脳の損傷が回復する前に、再度強い衝撃を脳に受けることをセカンドインパクトシンドロームと呼んでいます。傷や骨折と違って外から見えないのが脳の損傷です。

そのためどれくらい回復したかもわからず、ちょっとめまいが軽くなってきたな〜くらいでプレー復帰することがほとんどではないですか?

実は症状が回復したからといって脳機能が回復しているということは言えません。このタイムラグが非常に危険であり、短い期間で繰り返し脳震盪を起こすことで重篤な障害が残ってしまうこともあるのです。

実際にNFLでは引退後のCTE(慢性外傷性脳症)で悩まされて自殺する人も出たり、障害はリーグのせいだという訴訟が起きるほどです。


そのため、脳震盪を起こしたら程度にもよりますが二週間は休むようにガイドラインが設定されています。

また、この期間休んで復帰した後に再度脳震盪を起こした時には一ヶ月以上休む必要があります。アメリカのカレッジフットボールでは、シーズンに3回脳震盪を起こすと引退を勧告されることもあるくらい重要視されています。

少し頭がクラクラするくらいだから、ちょっと休めば大丈夫。それが一番危険なんです。

脳震盪の重症度と評価基準

脳震盪はその症状によってグレード分けしておく必要があります。もちろん、脳震盪が起きた時点で休ませる必要がありますが即座に病院に連れていかなければいけない状況かもしれません。

脳震盪のグレード分け

脳震盪は症状によって三段階に分けることができます。


【軽度】
意識の消失はなく、症状が15分以内でおさまるもの。
ここでの症状とは、めまい、頭痛、ふらふらする、視界がぼやけるなどです。

【中等度】
意識の消失はないものの、一時的な健忘がある。また、症状が15分以上続く、など。
同じような症状でも症状の持続時間や強さによって判断されます。

【重度】
意識の消失がある場合。
嘔吐や痙攣、激しい頭痛などが挙げられます。


これらはあくまで簡単に評価できるものであり、できるだけ早急に病院に連れて行くようにしましょう。中等度以上でしたら救急車を呼んだ方が無難かもしれません。

脳震盪の評価ツール SCAT3

脳震盪の評価ツールとして「SCAT」というテストがあります。それの第3版です。

これのいいところは医療従事者ではなくても、簡単にテストができるということ。指示をする内容が書いてありますので、それに従って進めていくだけで脳震盪かどうかを評価することができます。

もちろん脳震盪に関する診断の責任は医師やトレーナーなどの専門家に任せるべきではあります。人の命が関わることですからね。それでも、どうしても現場で評価をしなければいけないこともありますので、その際に参考になると思います。


藤原QOL研究所さんのHPで翻訳版が載せてありましたので、お借りいたします。ありがとうございます。

SCAT3 翻訳版

スポーツの現場で活躍されるコーチや学校関係の方は是非ご覧になってください。

脳震盪の理解の普及に向けて

現場で指導をしていると脳震盪に関してまだまだ理解が足りない部分を感じてしまいます。

「昔はそれくらいでは休まなかった」
「甘くなったな」

いろいろなことを言われるかもしれませんが、とにかく人の命が関わっていることです。怪しいと感じた時には、早急に病院に行くことをお勧めします。

脳のCTをとることで脳の損傷具合を診断することができます。一度深刻なダメージを負うと、回復することはなかなかできません。それが外から見える怪我との一番の違いです。


最後に。

藤原QOL研究所さんのHPには指導者や教員の方に向けたメッセージも載せてありました。こちらも参考として載せさせていただきますので、常にこのことを頭に入れて指導にあたっていただきたいと思います。

脳しんとうに関する注意 教師、学校関係者用

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