野球選手に多い有鉤骨骨折。どんな手順で復帰していけばいいの?
野球選手、とくにバッターに多く見られる手のケガのひとつが「有鉤骨(ゆうこうこつ)骨折」です。有鉤骨は手のひら側の小さな骨で、グリップエンドに押しつけられたり、バットの振動が繰り返し加わることで折れてしまうことがあります。
野球以外にも、ゴルフやテニスといったラケット競技の選手に多いケガの一つ。
とくに強く振るパワーヒッターや、木製バットを使い始めた選手によく起こり、プロ野球選手でも手術に至るケースは少なくありません。有鉤骨骨折の治療はギプスなどで固定することが多いため、ギプスを外した後のリハビリがとても大切になります。
有鉤骨ってどこ?
こちらは右手を手のひら側から見たイラストになります。有鉤骨は手首の小指側に位置する小さな骨です。
有鉤骨には有鉤突起という「カギ状」の突起があり、野球のバット、ゴルフのクラブ、テニスのラケットのように繰り返しの衝撃で骨折することがよくあります。
有鉤骨は血行が悪いため治りにくい骨折の一つでもあります。
そのため、正しく治療を行わないと痛みがずっと続いたり、可動域が極端に悪くなったり、逆に動きが不安定になることがあります。
ギプスでの固定だけでなく、積極的に手術を行うことも行われています。
固定期間が終わった後は、しっかりリハビリをして可動域の回復とともに筋力を戻します。リハビリは本当に大事になるので、理学療法士さんの指導のもと適切なリハビリを行うようにしましょう。
固定後のリハビリでやっておきたいこと
有鉤骨骨折の治療では、骨の癒合を待つために数週間の固定が行われるか、場合によっては骨片摘出手術が選択されます。
この固定期間が終わったあとのリハビリこそ、選手としての復帰を左右する大事な段階です。リハビリのポイントは次の3つです。
- 手首まわりの可動域の回復
- 肘や肩まわりの可動域回復
- 筋力の回復
手首まわりの可動域の回復
私自身、手首の骨折や足首の捻挫でギプス固定を何度も経験してきました。特に手首や足首などの可動域が大きい関節を固定すると、可動域の制限は顕著に起こりやすいです。
そのため、固定を外した後のリハビリで適切な可動域に戻すことは、その後の競技に少なからず影響を及ぼす可能性が高いです。
手首の動きは掌屈と背屈(手のひら側と手の甲側に曲げる)、橈屈と尺屈(親指側と小指側)、この組み合わせ運動に分けられます。
ケガをしていない方の手と比べて、動きが悪い場合には入念に可動域を回復するリハビリを行うようにして下さい。
- マッサージクリームを使ってほぐす
- ストレッチを入念に行う
- 手のひらのグーパーを行う
特に小指側の動きを出すように意識して行うようにしましょう。
肘や肩まわりの可動域の回復
ギプス固定をしていると、腕を動かさないようにするため肘や肩の動きも制限されてしまいます。手首の動きばかりに意識が向いてしまって、肘が伸びきらなくなってしまった、肩が動きにくくなってしまったということもよくあります。
手首と同時に肘もしっかりストレッチしたり、肩甲骨や背骨と一緒に腕を動かしていくことで、全体が徐々に動きやすくなっていきます。
意識して動かしていかないと気づかぬうちに動かなくなってしまうので、気をつけて動かすようにしましょう。
筋力の回復
固定期間が長くなるほどに筋肉も萎縮してしまい、筋力の低下が起きてしまいます。可動域が回復しても、筋力が回復しないままに競技復帰すると負荷に耐えられずに再受傷する可能性も高くなります。
小さいボールをギュッと握る、握ったまま手首を動かす、雑巾絞りを行うといった感じで、さまざまな動きをしていきましょう。握力の低下はさまざまな弊害を起こしやすいので、握る動作とともに握りながらひねるという動きはオススメです。
まとめ
日常生活レベルに戻っただけでは、競技復帰とは言えません。
- スイング動作
- バットのインパクト
- 投球や送球動作
これらの中で、有鉤骨や手首にどのような負担がかかるかを確認しながら、段階的にスポーツ動作を再開します。痛みをかばったフォーム で練習を始めてしまうと、別の部位に負担がかかり、新たな故障の原因になりかねません。
復帰は「焦らず、慎重に、でも積極的に」が鉄則です。
もし、病院でのリハビリに行く時間がなかった、一人でやろうと思っても回復できなかったという方は一度お問い合わせください。
一人ではできることに限界がありますので、専門のトレーナーがサポートしながら競技復帰に向けて一緒に進めていきます。
投稿者プロフィール
- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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