サッカーで太ももを打撲しました。どんな処置をすればいいですか?
アメフトやラグビーの現場でトレーナー活動をしていると、太ももの打撲は本当に頻繁に起こります。サッカーやバスケットボールでもそうですよね。
ただ、打撲ってどうしても軽く見られがち。
「いや、打撲なんで大丈夫です」
「放っておけば治ると思います」
よく起きるとはいえ、打撲もケガの一つ。ひどくなってしまうと膝を曲げられなくなる可能性だってあるのです。
今回の記事では、打撲をした際の適切な処置方法と競技復帰までの手順を紹介したいと思います。
太ももの打撲に対する応急処置
競り合っている時に相手の膝が太ももに入ったり、タックルされて太ももの外側が腫れたり。対人競技ではよくある光景ですよね。
通称、「チャーリーホース」とか「モモカン」と呼ばれるこのケガですが、放っておくと深刻な運動障害を引き起こす可能性もあります。
急性期はRICE処置
まず、打撲をしてしまったら迷わずRICE処置をしてください。
この際に、膝をできる限り曲げておくことが重要なポイントです。
曲げるのはかなりの苦痛が伴うと思います。ですが、ここでできる限りでも曲げて処置しておかないと、のちのち曲げることに苦労してしまう可能性があります。
氷を当てたら約15分ほど固定して、外したら30分休ませます。これを3回繰り返してください。氷を外している間も膝を曲げながら、圧迫をしておきます。
回復期は温めてストレッチ
最近の論文では早い時期から冷やすのはやめて、痛みを伴うけども温めながらストレッチをしていった方が回復が早いと言われています。
ただし、この痛みのコントロールに関しては人によって好む・好まないがあるので、基本的には怪我をしてから3日はRICE処置でいいと思います。
そこから痛みが少しでも落ち着いてきたら、温めてからストレッチを繰り返します。
ホットパックの作り方に関しては『痛みがある時は冷やした方がいい?温めた方がいい?【リハビリと合わせて】』の記事で紹介しているので合わせてお読みください。
温めないままストレッチをするのは、かなりの痛みを伴います。ウォーミングアップもできない状態ですと、筋温が上がらないので筋肉は伸ばしづらい状態です。このまま、伸ばそうとしてしまうと筋肉への負荷が強すぎます。
そのためリハビリ前には温めておくことをお勧めします。どうしても温めるものがない場合には、手で太ももをさするだけでも問題ありません。
さすることで表面的に温度が上がり筋肉が動きやすくなるのでストレッチしやすくなります。
考えられる二次的な障害
太ももの打撲をした際に、必ず頭に入れておかなければいけないのが二次的な損傷。
ひどくなってしまうと、骨化性筋炎やコンパートメント症候群になる可能性もあるので、その重要性を再認識してください。
骨化性筋炎
打撲を受けると筋肉の中で出血を起こすのですが、血のかたまり(血腫)の部分が徐々に石灰化して骨化していきます。
受傷後、2週間までにしっかりとしたケアをしておく必要があるということを覚えておきましょう。
コンパートメント症候群
太ももに限らず、筋肉や骨がある部分ではいくつかの区画(コンパートメント)に分かれています。
打撲をして、腫れが強くなると内圧が高まってしまい、循環障害から筋肉や神経の機能障害を引き起こしてしまいます。
ふくらはぎの打撲で起こりやすい症状ですが、太ももでも起こりうる症状なので要注意です。
肉離れとの違い
ちなみに太ももの打撲は、筋挫傷と呼ぶこともできます。太ももの肉離れも筋挫傷です。
そのため、打撲の場合は曲げた状態でアイシング、肉離れは伸ばした状態でアイシングをするのが効果的です。
まとめ
太ももの打撲は、サッカーやラグビーのようなコンタクトスポーツにおいて頻繁におこる怪我の一つです。
たかが打撲
と思って処置を適当に行なっていると、回復を遅らせてしまいます。
受傷から2週間の処置がとても大切になってくるので、状況を捉えながら適切な処置を取れるようにしてください。
(注1)ラグビー選手にみられた外傷性骨化性筋炎の一例(https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/36/2/36_2_347/_pdf)
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- 打撲をした部分の痛みがなかなかひかない
- 筋肉が固くなってしまい膝が曲げられない
専門のトレーナーがマンツーマンで指導しますので、上記のようなお悩みがある方はお気軽にご相談ください。ご自宅でできる簡単なストレッチやトレーニングの指導なども行いますので安心して取り組むことができます。
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- 東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。
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