アメリカのプロスポーツを支える日本人トレーナーの存在

第7戦までもつれ込み白熱したNBAファイナルは、クリーブランドキャバリアーズの球団初優勝で幕を閉じましたね。その初優勝を支えたメンバーの一人に中山佑介さんという日本人トレーナーの存在がありました。

アシスタント・アスレティックトレーナー兼パフォーマンス・サイエンティストの肩書きを持つ中山さん。

アスレティックトレーナーは選手のケガをケアしたり、リハビリを担当する役割を持ちます。その上で、科学的な分析を行い選手の運動能力を向上させることでケガのリスクを減らすことにも取り組んでいます。


最近のスポーツ界ではICT(情報通信技術)化が進み、データをどのように活かすかということがチームの勝敗に大きく関わるようになりました。アナライジングスタッフという分析専門チームも存在し、練習や試合のビデオがプレー・対戦相手など様々な項目分けられ、すぐに見られるようになっています。

ラグビーの前日本代表HCであったエディ・ジョーンズさんが行ったハードなトレーニングを支えたのも、多くのデータによるもの。トレーニング量、食事、休息、ケガの度合い、本人の自覚的疲労度などを入力することで疲労を分析し、ケガをしないギリギリのところで練習量を調節していました。


トレーナーの役割はケガをした後にケアやリハビリをする人と思われがちですが、もっと大事なことはケガを出さないように未然に防ぐこと。そのためにコンディションや疲労度を数値化することで、選手の状態を客観的に判断することができます。

トレーナーが目立たないことほど、チームがいい状態にあるわけですね。


さて、アメリカのプロスポーツ界で活躍する日本人のトレーナーは中山さんだけではありません。他にも多くの素晴らしい方がアメリカで活躍をされています。


2002年に女性としてはNFL史上初めてとなるフルタイムアスレティックトレーナーとなったのが磯有理子さん。ピッツバーグスティーラーズの一員として、2005年、2008年、2010年と3回もスーパーボウルに出場し、そのうち2005年と2008年の2回も優勝を経験しています。

2011年からは母校のオレゴン州立大フットボール部のヘッドアスレティックトレーナーに就任しました。

私がアメリカンフットボールに携わって18年、私にとってアメリカで活躍するトレーナーといえば磯さんが真っ先に頭に浮かびます。


メジャーリーグでは意外と多くの日本人トレーナーがいるため、すべてを把握しているわけではありません。日本人の選手もたくさん海外へ行くようになり、そのパーソナルトレーナーとして選手に帯同し、徐々にチームメイトへと広がるという流れが多いようです。

もちろん自主的にキャンプにインターンとして参加して、信頼を勝ち取ってトレーナーとして契約することもあります。アメリカンはチャンスのある国ですから動いたもん勝ちです。


私も2003年にNFLEL(NFLの下部組織)のトレーニングキャンプにインターンとして参加、2004年にAFL2(アリーナフットボールリーグ2部:室内フットボールのプロリーグ)のハワイアン・アイランダーズとアシスタントトレーナーとして契約した過去があります。

それもすべて自分で売り込んで、現地に乗り込んだのですが今考えれば無謀なことをしたなと思います。


日本人のトレーナーが海外で活躍できる理由があるとすれば、アメリカ人にはない細やかさでしょうか。もちろん日本人だけが持つ特性ではありませんが、細かい心配りは感謝されることが多いように感じます。

まだまだ日本ではトレーナーの存在がそこまで認知されている訳ではありません。が、少しでも日本のスポーツ界に貢献できるように精進していきたいと思いました。

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