肩は身体の中でも特に脱臼を起こしやすい部位の一つで、アメフトやラグビーなどのコンタクトスポーツでは頻繁に起こる怪我です。
一度脱臼を起こすと関節がゆるくなってしまい、繰り返し脱臼を起こしやすくなるため非常に厄介でもあります。
私も小学校で初めて両肩を脱臼してからは、何度か脱臼を繰り返した経験があります。脱臼を繰り返さないためにも正しいケアをしていきましょう。
肩を脱臼する原因
肩は球関節と呼ばれ、人体の中で一番可動域が大きい関節です。そのため関節を支える靭帯は必要最低限で、あとは腱により支えられています。
常に重力がかかっているため肩にかかっている負担はそもそも大きいのですが、それにプラスして構造的な問題も肩の脱臼には影響しています。
肩を脱臼する原因として考えられるのは主に2つ。
介達性の脱臼
一つ目は腕が引っ張られて外転・外旋状態になったときに外れる介達性の脱臼。
肩の構造上、後方に比べ前方のほうがスペースがあるため抜けやすくなっています。
腕を上にあげて徐々に外にひねっていくと、不安感が出てきますね。その状態で不意な力がかかると、テコの原理で肩の先端部が前方にずれて脱臼してしまうのです。
例えば、タックルにいって相手選手に腕をもっていかれてしまったパターン。相手を捕まえた時に腕は外側にひねられているので、そのまま相手をおさえられないと肩が前方に抜けてしまうのです。
以前には、プロ野球選手でハイタッチした瞬間に脱臼した場面をみたことがあります。一度脱臼をしてしまうと再発をしやすく、これくらいの衝撃でも脱臼をしてしまうという例です。
直達性の脱臼
もう一つが肩から地面に落ちた際に、肩を直接地面に打つことで外れてしまう直達性の脱臼。
肩にかなりの衝撃がかかり、部分的な骨折が見られることもあります。
サッカーやバスケットボールのように肩同士が接触して起こる可能性も考えられます。
どちらも上腕骨が前方に外れることから前下方脱臼と呼ばれ、肩の脱臼のほとんどがこの前下方脱臼です。長いトレーナー生活で、私が後方脱臼を見たのは一回だけです。
脱臼をしてしまったら
もし自分で肩がはずれたとわかったら、すぐに病院に行くようにしてください。絶対に自分ではめようとしてはいけません。
肩が外れた際に骨がかけてしまうことも十分に考えられます。自分で無理に動かそうとしたことで、さらに骨の損傷が進んでしまうことがあります。
腕を三角巾などで吊って、病院や接骨院で整復してもらいましょう。
繰り返しの脱臼グセには
くしゃみや寝返りで外れそうになるほどのひどい肩の脱臼グセがあるときは手術をした方がいい場合もあります。ただし、手術には相応の負荷や時間がかかるため、よほどのことがない限り手術はすすめられていません。
もちろんドクターの精密検査が必要になりますので、必ずドクターの指示にしたがうようにしてください。
運動療法
肩の脱臼グセに有効なのは周辺の筋肉を強化する運動療法です。
元横綱の千代の富士さんが脱臼グセを筋トレで回復させたのは有名な話ですね。
めんてなではインナーマッスルを正しく使えるように、肩甲骨まわりの柔軟性や胸郭や体幹の可動性など、肩周り全体の動きを考えて肩の緩さを改善していきます。
この動きを一人で意識して行えるようになれば、一人でのリハビリトレーニングも効果の高いものになります。体の治癒能力を引き出して、正しい肩の動きを再現していきましょう。
姿勢の改善
もう一つ有効なのが姿勢の改善です。猫背になってしまい肩が前に出てしまうと、それだけで肩が不安定な位置に入ってしまいます。
猫背を改善するように、胸椎伸展エクササイズや肩甲骨周りの運動をしていくことで、徐々に正しい位置に関節がはまってきます。
繰り返しの脱臼に関するお問い合わせは
このような方はお気軽にご相談ください
- 何もしていないのに肩が外れそうになる
- 肩がゆるいのが気になる
- 肩が痛くてタックルできない
専門のトレーナーがマンツーマンで指導しますので、上記のようなお悩みがある方はお気軽にご相談ください。ご自宅でできる簡単なストレッチやトレーニングの指導なども行いますので安心して取り組むことができます。
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