膝の自家培養軟骨移植術に関する研修を行ってきました

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先日、臨時休業をいただいて千葉県鴨川市にある亀田総合病院にお邪魔して、膝の自家培養軟骨移植術に関する研修を行ってきました。

鴨川シーワールドのすぐ近くにあり、目の前に海が広がる最高のロケーションです。一流のドクターが集まり、最先端の研究が進められている病院です。

今回で4回目となる亀田総合病院での研修。これまでに、膝の前十字靭帯再建術、肩の腱板修復術、膝の半月板切除術と三回行ってきましたが、いよいよ再生医療の領域に。

2016年10月、スポーツ医学科医長に加藤有紀先生が着任されたことで亀田総合病院でも自家培養軟骨移植術が始まったそうです。

とはいえ、自家培養軟骨移植術自体も、始まってまだ3年ほどしか経っておらずまだまだ研究を進めている段階のようですね。

今回は、ドクターや看護師の方だけでなく、軟骨の自家培養をされているJ-TECの方からもお話しを伺うことができました。

膝の軟骨って何?

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そもそも膝の軟骨がどこにあるかご存知ですか?膝は太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)と膝のお皿(膝蓋骨)で構成されています。

大腿骨と脛骨の間にはクッション材となる半月板が存在しているのですが、それだけでは滑らかな動きができないので半月板と接する骨の部分が軟骨になっているのです。

体の中でも半月板や靭帯は血流量が少ない(ほとんどない)ため、一度傷がついてしまうと修復をするのがとても難しい組織です。

軟骨も例外ではなく、一度傷がついてしまうと修復をすることができません。


半月板や靭帯は損傷してしまったり、断裂をしてしまうと手術をすることで修復することができます。

軟骨の損傷も小さい範囲での損傷でしたら、骨穿孔法や骨軟骨柱移植術といった手術がありましたが範囲が大きくなると手を出すことができなかったようです。

これまで放っておくしかできなかった損傷を、自家培養軟骨移植術で治すことができるようになったのはとても大きな進歩ですね。


膝の自家培養軟骨移植術に関して詳しくはこちらをご覧ください。とてもわかりやすく説明してあります。

再生医療ナビ

自家培養軟骨移植術の難しさ

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まず、移植術の流れとしては、最初に患者さんご自身の膝から軟骨を少量採取して、それを専門機関(J-TECさん)において培養します。この期間は約1ヶ月。

これを軟骨の欠損部位に埋め込み、骨膜で蓋をして終了です。ちなみにこちらの写真が培養された軟骨のシート。

今回の症例では、自家軟骨培養移植術と骨軟骨柱移植術を同時に行ったので約6時間ほどで手術は終了しました。


ただ手術して終わりというわけではなく、大変なのはここから。手術はなんでもそうですが、術後のリハビリがとても大切なんです。

特に自家軟骨培養移植術の場合は、負荷をかけすぎるとせっかく移植した軟骨がはがれてしまい、負荷をかけないと移植した軟骨が骨にくっつかないという状態になってしまうのです。

この加減が非常に難しい、とのこと。


基本は術後1ヶ月は非荷重(足をついてはいけない)での生活、そこから徐々に荷重をかける練習をして約3ヶ月ほどで日常生活に復帰できるようになるそうです。

ただし、スポーツ復帰となると話しは別で最低でも1年はかかります。もし負荷をかけすぎて軟骨がはがれてしまったら、もうつけることはできないのだとか。そのためにも1年は絶対に無理をしてはいけないそうです。

術後のリハビリに関しては、これからドクターや業者さんと意見交換をしながら、いいプロトコルを作っていければいいですね。

夢が広がる再生医療

今回の研修もまた、非常に勉強になるものでした。

これまで手を出すことができなかったケガを、自家軟骨を培養することで移植することが可能になったのです。とても夢が広がりますよね。

では、これからどんどん再生医療が広がっていくかと言うと、それはそう簡単にはいかないようです。


例えば、以前このブログでも紹介した半月板の再生医療。

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実際にお話しを伺ってみると、もうすぐできるのではないかと言われているが、実際にはまだまだ難しいのではないか、とのこと。

その理由は半月板の組織がとても複雑な構造をしており、実際の半月板のように作る技術がまだ追いついていないようなんです。

「それでも少しずつ前進はしていますよ」

とおっしゃっていたので期待したいですよね。


医療の道は日進月歩で進んでいきます。

その流れに置いていかれないように、勉強し続けないといけないなと改めて感じました。

投稿者プロフィール

倉持江弥
東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。

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