新体力テストから見る運動特性と気をつけるべき点

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先日、長男が小学校で体力テストを受けてきました。種目が結構多かったのでこんなことやってたかな〜と思っていたら、新体力テストといって平成11年度から導入されているようですね。

導入から5年ほどは実施している学校の数も全体の60%ほどだったようですが、今では全国的に90%以上の学校で行われています。それだけ客観的なデータとしては優れていると言えます。

テスト項目としては
(1)握力
(2)上体起こし
(3)長座位体前屈
(4)反復横跳び
(5)20mシャトルラン(往復持久走)
(6)50m走
(7)立ち幅跳び
(8)ソフトボール投げ

の全8項目。これらの記録を点数化して得点により総合的な評価として算出するようです。20mシャトルランとか、大人がやってもかなり大変なのに小学生のうちからこんなテストをやるのか、、、と驚いてしまいました。

新体力テストを行う意義

そもそも新体力テストを何のために行っているのか。これを忘れてはいけません。私たちが子供の頃に一番イヤだった測定が座高の計測。今でも覚えています。ところが座高の計測は平成27年度で廃止。しかもその理由が、

意味がないことがわかった

という、とてもシンプルな答え。いやいや、、、とツッコミたくなるほどの答えでしたが、78年続けてようやくわかったのかとなんとも言えない気持ちです。


じゃあ、この新体力テストにはどのような意味があるのか。というところについてですが、しっかりとした理由に基づいて項目も選定されています。

一番の目的は子供の体力状況を把握するとともに、運動習慣や生活習慣を把握し、体力・運動能力向上に役立てること。目標としては昭和60年頃の体力・運動能力水準まで回復させることのようです。

社会においてPDCAサイクルを回すことで成果を出すことと同じように、体力向上のためにPDCAサイクルを回すことができるように学校や地域全体での取り組んでいくことも期待できます。

新体力テストの運動特性

今回の新体力テストに選定された項目を細かく見ていくと、それぞれから読み取ることができる運動特性というものがあります。下の図をご覧ください。

子供の体力向上のためのハンドブック(文部科学省)より引用

・素早さ
・ねばり強さ
・タイミングの良さ
・体の柔らかさ
・力強さ

と、体の使い方を示す5つの言葉でまとめられています。言葉を見るとなんとなくわかるようなわからないような表現ですが、敏捷性とか巧緻性と表現されることに比べればわかりやすいですね。

これらの運動特性の中でも子供の頃に身につけておきたい能力として、正しい力の発揮方法があります。「素早さ」「タイミングの良さ」「力強さ」が合わさることで「正しい力の発揮」につながると考えてください。

転びそうになった時に瞬間的に体を固めて怪我を防ぐ、体を反転させて怪我を防ぐ、といったように瞬間的な反応力は子供の頃に養っておく必要があります。大人になればなるほどこれらの反応は鈍くなる傾向にあります。


「新体力テスト コツ」と検索してみると、たくさんの方法が出てきます。確かにこれらの対策をすることで、個別のテスト結果は良いものになるかもしれません。

ただこの時期に大切なことはそれぞれの項目の数値が良くなるように対策することよりも、共通する力発揮の方法(体の使い方)を身につけたほうが将来的に役に立つように感じます。

瞬間的な力発揮(力の立ち上がり)を意識することができれば自ずと結果も伸びてくるはずです。

そのためには、遊びの中からできるだけ多くの運動体験をしていくことが一番。外遊びが限られてしまった今だからこそ、地域の住民が協力して子供達を応援してあげたいです。

新体力テスト実施にあたっての注意点

さて、ここまで新体力テストに関して書いてきましたが、テストを実施する上でとても大切なポイントがあります。それはケガのリスクをできるだけ排除すること。

私もこれまでチームの体力テストやトライアウトなど幾つかのテストに携わったことがあります。いつも気をつけていることは、余計なケガが起こらないように細心の注意を払うことです。

地面が滑らないか、余計なものは転がっていないか、場所は十分な広さがあるか、用具は壊れていないか。

肉離れや捻挫など突発的に起こるケガはある程度しょうがないにしても、未然に防ぐことができるケガはできるだけ避けるようにします。体力を測ろうとしてケガをしてしまっては元も子もありません。


これ以外にも、できるだけ同じ条件で測定できるようにすることも必須です。ストップウォッチを押すタイミング、幅跳びの距離を測るスタートとゴールの位置など統一していないとズレが出てしまうこともあります。

細かいことではありますが、コンマ何秒を測るわけですからその基準を曖昧にしてはいけませんね。


ここ数年は体力レベルも徐々に上昇傾向にあるようです。まだまだ昭和60年の体力レベルには及ばないものの、これからの日本を背負う若者たちの体力向上は日本自体の活性化にもつながります!

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投稿者プロフィール

倉持江弥
東京都府中市のコンディショニングサロンめんてな代表の倉持です。体のゆがみを整えて、楽に動ける体作りをサポートします。

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